青木彫刻店

おなまえ木札

透かし彫りが専門の青木彫刻店は創業から80年。欄間を中心に、御宮さん、仏具などを制作しています。木彫り師の2代目青木要二さんは、15歳のころから初代で父親でもある半五郎さんの手伝いをするようになり、腕を磨いてきました。

お孫さんが幼稚園入園の際に、透かし彫りで名前を入れたキーホルダーをプレゼントしたことがきっかけで「おなまえ木札」を作るように。ヒバやホウの木、ヒノキ、黒檀など木の種類によって印象も変わります。

「木は持てば持つほど丸みがかかって艶が出てきます。ニスなども一切塗っていないので、手荒くしなければ一生使っていただけますよ」と広報を担当する娘の和久信乃さん。「生まれたての赤ちゃんにプレゼントいただいて、その子がご結婚される時とか、おじちゃんおばあちゃんになるまで持っていてくれたら、これがお父さんお母さんの思いだよって。そんな風に伝えられたら嬉しいです」と思いを話してくれました。

「透かし彫りなら何でもやります。ただ、穴から落っこちないようにしなくちゃならないでしょ。枠にくっ付くように文字を配置しないとね」と青木さん。

板に描いた下絵をもとに錐(きり)で穴を空け、専用の木工ミシンで引いてから、鑿(のみ)で形を彫り、仕上げていきます。20~30種類の鑿を使い分け、一つの形を彫り上げていきます。手彫りから生まれる1点もの。月日とともに変わる風合いに、自分だけの特別感も増していくはずです。